家計は「家」単位のもの、会計は「会社」単位のものとなります。

家計も会計も、その大目的として、収入や支出の記録を付け、お金の流れや現在の状況を把握し、今後の計画や活動に役立てる事は共通しています。

では、相違点としては、どういった観点のものがあるでしょうか?

家計(現金主義)

家計の場合は、非常にシンプルです。

実際に入ってくる金額「収入」と出ていく金額「支出」を差し引きすれば、黒字か赤字か分かります。

収入>支出であれば黒字、収入<支出であれば赤字となります。

これを会計的な用語でいうと、「現金主義」といいます。

会計(発生主義)

会計の場合、現金商売の業態を除いて、売上が発生した日(商品を納入した日)と実際に売上入金があった日は一致しません。

現金商売の業態でも、仕入れ分は、掛け払いになっていたりで、実際に仕入れた日と実際に支払った日は相違したりします。

なので、単純に、入ってくる金額と出ていく金額を差し引きしただけでは、業績を正確に掴むことは出来ません。

そこで、会社では、売上が発生した時に「収益」を計上し、仕入れが発生した時に「費用」を計上することで、業績を正確に計ることが可能となります。

収益>費用であれば、会計上は黒字、収益<費用であれば、会計上は赤字となります。

これを会計的な用語でいうと、「発生主義」といいます。

黒字でも赤字!?

会計の場合は、「収入」と「収益」、「支出」と「費用」の計上にズレが生じます。

会計上は利益が出ていても、入金が遅く、売掛金の回収が出来ていなく、手許現金が足りなければ、支払いが出来ません。

収益>費用となっていて黒字でも、キャッシュベースだと、入金<支払で赤字となっている場合に「黒字倒産」が起こります。

いくら会計上に利益が出ていても、現預金が枯渇したら、どうしようもありません。

そうならないためにも、常日頃から業績を管理し、キャッシュを管理し、先手先手で対策を講じられるような体制を構築していく事が大事になってきます。