損益分岐点は、その事業の採算性を計り、経営判断をしていく上で欠かせません。

損益分岐点を知るには、まず、その事業の変動費率(変動費単価)、貢献利益率(貢献利益単価)、固定費を掴むことが肝となってきます。

家計管理(学生バイト編)

ここで、一人暮らしをしている学生アルバイトの家計について、損益分岐点の考え方を用いてみましょう。

アルバイトの変動費ですが、家計の場合に置き換えるとすれば、生活費となります。

生活費は、自分次第で、ある程度の調整ができ、一定の額に定める事が可能であり、そもそも、時給に比例して、生活費は変動するものではないので、ここでは変動費も固定費として捉えることとします。

変動費も固定費として捉えると、売上単価である時給がそのまま貢献利益単価と考える事が出来ます。

☆売上単価=時給=貢献利益単価

時給1000円、固定費10万円の場合

固定費10万円をまかなうためには、時給1000円だと、100時間働く必要があります。

100,000円÷1000円=100時間

100時間働けば、固定費である10万円を払えるので、収支トントンの状況となります。

毎月5万円の貯金をしていく場合

ここで毎月5万円の貯金をしていきたい目標が出来たとします。

その目標を達成するためには、固定費10万円+貯金分5万円で、15万円を稼がないといけません。

今のアルバイト先だと、150,000円÷1000=150時間を働けば、目標を達成が出来ることが分かります。

損益分岐点でシミュレーション

上記、毎月5万円の貯金を目標とした場合、今のアルバイト先だと、150時間も働かなければならない事が分かりました。

しかし、150時間ともなると、学業との両立が難しく、働く時間は100時間以内に抑えつつ、目標金額を達成するためには、どうすればいいか・・・

今の所の選択肢としては、下の3つが考えられます。

①固定費(家賃や生活費)を下げる

②もっと時給のいいアルバイト先に異動する

③今のバイト先で時給UPの交渉をする

今の時給1000円のままだと、固定費を下げる選択肢となります。単純に、目標貯金分5万円分、生活費を削減すれば、目標自体は達成できます。

働く時間100時間に抑える場合、時給1500円のアルバイト先に異動するか、今のバイト先で時給UPをして貰わないと、目標は達成できません。

損益分岐点を制する者は・・・

固定費・変動費を知り、単価を把握することによって、どういった選択肢を取るべきか、どうすれば目標金額を達成できるか、現実可能性を含めて、計画し、実行に移すことが可能となります。

損益分岐点を制する(理解する)ことは、そのビジネスを制する(理解する)と言っても過言ではないと言えるでしょう。